睡眠時無呼吸症候群の治療CPAPを徹底解説
- HEIWA SOTOMURA
- 1月25日
- 読了時間: 26分
更新日:4 日前
「忙しい人向け|1分要約スライド」
「夜中に息が止まっていると家族に言われた」「日中のひどい眠気で仕事に集中できない」。もしこのような経験があるなら、それは単なる寝不足ではないかもしれません。もしかすると、睡眠の質を著しく低下させ、高血圧や心臓病など命に関わる深刻な合併症を引き起こす睡眠時無呼吸症候群(SAS)が原因かもしれません。
しかし、ご安心ください。SASの最も一般的で有効な治療法であるCPAP(シーパップ)によって、症状を改善し、健康で活動的な毎日を取り戻すことが可能です。 当院に通院されている患者様でも『世界が変わった』とその効果に驚いている方もたくさんいらっしゃいます。 この記事では、CPAP治療の仕組みや効果、気になる費用から快適に続けるコツまでを徹底解説。あなたの不安を解消し、質の高い睡眠と健康な未来への第一歩をサポートします。
睡眠時無呼吸症候群を知るポイントと危険な合併症
「最近、夜中に息が止まっていると家族に言われた」「日中のひどい眠気で仕事に集中できない」。 「運転中にうっかり居眠りしそうになった」。 もし、このような経験があるなら、単なる寝不足ではありません。 もしかすると、**睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)**という病気が原因かもしれません。 この病気は、睡眠の質を低下させるだけではありません。 放置すると、命に関わる深刻な合併症を引き起こすこともあります。
しかし、ご安心ください。 適切な知識と治療があれば、症状は改善に向かい、健康で活動的な毎日を取り戻すことができます。 この章では、睡眠時無呼吸症候群の基本的な知識から、危険な合併症、ご自身で気づくためのセルフチェック、そして検査の流れまでを分かりやすく解説していきます。
睡眠時無呼吸症候群とは?いびきと日中の眠気だけではない症状
「睡眠時無呼吸症候群」は、睡眠中に繰り返し呼吸が止まったり、浅くなったりする病気です。 呼吸が10秒以上止まる「無呼吸」や、呼吸が浅くなる「低呼吸」が、1時間あたり5回以上、または7時間の睡眠中に30回以上あれば診断されます。 この病気は、大きないびきや日中の強い眠気として知られています。 しかし、それ以外にもさまざまな症状が現れることがあります。 私たちが内科医として診ている患者さんの中には、別の症状で受診され、検査の結果、睡眠時無呼吸症候群と診断される方も少なくありません。
睡眠時無呼吸症候群に見られる症状は、睡眠中に脳や身体が十分に休まっていないために起こります。 正常な睡眠では、脳や体が深く休息し、日中の活動に備えて回復します。 ところが、この病気では、呼吸が止まるたびに脳が覚醒し、心臓に負担がかかるのです。 その結果、本来得られるはずの深い睡眠が得られません。
睡眠時無呼吸症候群でよく見られる症状
分類 | 具体的な症状 |
夜間の症状 | - 大きないびき(途中で止まる、不規則になる) - 睡眠中の呼吸停止や息苦しさで目が覚める - 夜中に何度も目が覚める(熟睡感がない) - 夜間の頻尿(トイレに何度も起きる) - 寝汗をひどくかく - 口や喉の渇きを感じやすい |
日中の症状 | - 強い眠気(会議中、運転中、食後にうとうとする) - 起床時の頭痛や頭重感 - 常に体がだるい、倦怠感がある - 集中力や記憶力の低下(物忘れが増える) - イライラしやすくなる、気分の落ち込み - 居眠り運転による事故リスクの増加 |
特に夜間の頻尿は、単なる加齢現象と思われがちですが、睡眠時無呼吸症候群が原因で自律神経のバランスが乱れていることもあります。 夜間の呼吸停止によって体内の酸素濃度が低下すると、心臓への負担が増し、この負担が「夜間頻尿」という症状として現れることがあるのです。 また、起床時の頭痛も、睡眠中の低酸素状態や血圧変動が原因であることが考えられます。 これらの症状は、日常生活の質を大きく低下させるだけでなく、仕事や学業のパフォーマンスにも悪影響を与えます。 さらに、後述する運転中の事故リスクを高めることにもつながりますので、軽く考えずに早めに専門医へ相談することが大切です。
放置は危険!命に関わる高血圧や心臓病など5つの合併症リスク
「いびきをかくだけ」「眠くなるだけ」と考えていませんか? 睡眠時無呼吸症候群は、単に睡眠の質を低下させるだけの病気ではありません。 放置すると、全身の健康に悪影響を及ぼし、命に関わる重篤な合併症を引き起こす可能性があります。 睡眠中に呼吸が止まるたびに、体内の酸素濃度が低下し、心臓や血管に過剰な負担がかかることが主な原因です。 この「見えない負担」が、気づかないうちに体を蝕んでいくのです。
合併症 | 解説 |
高血圧 | 睡眠中の無呼吸と低酸素状態により交感神経が過剰に刺激され、血圧が慢性的に上昇します。治療しても下がりにくい高血圧の原因となることがあります。 |
心筋梗塞・狭心症 | 低酸素状態と睡眠障害が動脈硬化を進行させ、冠動脈疾患のリスクが上昇します。特に夜間から早朝の発症と関連が深いとされています。 |
脳梗塞・脳卒中 | 血圧変動や血管内皮障害が脳血管障害を引き起こしやすくします。重症の睡眠時無呼吸では脳梗塞リスクが大きく高まります。 |
糖尿病・耐糖能異常 | 慢性的な低酸素状態によりインスリン抵抗性が悪化し、血糖コントロールが乱れます。肥満がなくても糖尿病を発症しやすくなります。 |
日中の眠気・事故リスク増加 | 睡眠の分断により強い眠気や集中力低下が生じ、交通事故や労働災害のリスクが上昇します。生活の質(QOL)低下にも直結します。 |
CPAP治療の全てを徹底解説!効果、費用、続けるコツ
睡眠時無呼吸症候群と診断され、CPAP治療を勧められたものの、「どのような治療なのだろう」「費用はどれくらいかかるのだろう」「続けられるか不安」といった疑問や心配を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。CPAP治療は、睡眠の質だけでなく、日中の生活や将来の健康にも大きく影響する大切な治療です。私たちは内科医として、患者さんの不安を少しでも解消し、安心して治療に臨んでいただけるよう、ここではCPAP治療について詳しく解説します。治療を始め、そして継続していくための具体的な情報と、その重要性をお伝えしてまいります。
CPAPとは?陽圧で気道を確保する仕組みと治療効果

CPAPとは「Continuous Positive Airway Pressure」の頭文字をとった言葉で、「経鼻的持続陽圧呼吸療法」と訳されます。これは、睡眠中に空気の通り道である気道が閉塞してしまう「閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)」に対する、最も一般的かつ有効性が高いとされる治療法です。睡眠時無呼吸症候群のほとんどは、この閉塞性タイプに分類されます。
CPAP治療の仕組み
CPAP装置は、就寝中に専用のマスクを装着し、そこから加圧された空気を送り込むことで治療を行います。この空気圧は、たとえるなら「空気の支え」のような役割を果たします。睡眠中に狭くなったり完全に閉じてしまったりする気道を物理的に広げ、呼吸が止まる「無呼吸」や、呼吸が浅くなる「低呼吸」を防ぎます。これにより、脳や体が酸素不足に陥ることを防ぎ、本来得られるべき深い睡眠を妨げる原因を取り除くことができるのです。
期待できる5つの治療効果
CPAP治療を適切に継続することで、患者さんの身体と生活の質に多岐にわたる良い効果が期待できます。
いびきや無呼吸の改善
ご家族に指摘されていた大きないびきや、ご自身では気づきにくい呼吸の停止がなくなります。
静かな睡眠は、同室で眠るご家族の睡眠の質向上にもつながります。
睡眠の質の向上
呼吸の中断がなくなることで、細切れになっていた睡眠が回復します。
朝までぐっすり眠れるようになり、目覚めた時の爽快感を実感しやすくなります。
日中の眠気の軽減
日中の強い眠気や倦怠感が解消され、集中力や作業効率が向上します。
運転中の眠気による事故リスクの低下にも貢献します。
生活習慣病の改善・予防
睡眠中の低酸素状態や自律神経の乱れは、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を悪化させます。
CPAP治療により、これらの病気のコントロールがしやすくなり、心臓や血管への負担が軽減されます。
心血管イベントのリスク低減
睡眠時無呼吸症候群は、心筋梗塞や脳卒中といった重篤な病気のリスクを高めることが知られています。
大規模な臨床研究では、CPAP治療がこれらの主要な心血管イベントを直接的に抑制するという明確な結果は得られなかった事例もあります。
しかし、これはCPAPの使用時間が不十分であったり、研究対象が症状の軽い患者さんであったりといった、研究デザイン上の限界によるものと考えられています。
実際には、CPAPの使用時間が長い患者さんにおいては、心血管イベント抑制効果が示唆されています。
私たちの実際の診療経験からも、CPAPの継続的な使用は、心血管系の健康維持に非常に重要であると認識しています。
これらの効果は、睡眠中の無呼吸によって引き起こされる低酸素状態や、交感神経の過剰な活性化が改善されるためです。治療を続けることで、より健康的で活動的な生活を送ることができるようになります。
マスク選びが成功の鍵!種類と快適な装着のポイント
CPAP治療を快適に継続するためには、ご自身に最も合ったマスクを選ぶことが非常に大切です。マスクが合っていないと、治療に必要な空気漏れが起きたり、装着時の不快感で眠れなくなったりすることがあります。自分に合ったマスクを見つけることは、治療を成功させるための第一歩と言えるでしょう。
CPAPマスクの主な種類と特徴
マスクの種類 | 特徴 | おすすめのケース |
ネーザルマスク | 鼻全体を覆うタイプのマスクです。 | 鼻呼吸がメインで、口呼吸があまりない方に適しています。圧迫感が少なく、開放感を好む方にも向いています。 |
鼻ピローマスク | 鼻の穴に直接差し込むタイプのマスクです。最も小型で、顔を覆う部分が少ないため開放感が大きいのが特徴です。 | マスクの圧迫感が苦手な方や、顔にマスクの跡がつきやすい方、メガネをかけて寝たい方に選ばれます。 |
フルフェイスマスク | 鼻と口の両方を覆うタイプのマスクです。 | 口呼吸が多い方や、鼻炎などで鼻詰まりしやすい方、アレルギー体質で鼻からの呼吸が困難な時に有効です。 |
私たちは、患者さんの睡眠時の呼吸状態や、鼻や口の形状、アレルギーの有無などを総合的に考慮し、最適なマスクの種類をアドバイスさせていただきます。試着をして、実際に装着感を確かめることも可能です。
快適な装着のためのポイント
CPAPマスクを快適に使用し、治療効果を最大限に引き出すためには、いくつかのポイントがあります。
フィッティングの確認
マスクを装着した際に、顔に隙間なくフィットしているか確認しましょう。
わずかな空気漏れでも、治療効果が低下したり、目が乾燥したりする原因になります。
サイズ調整
マスクのストラップは、きつすぎず、緩すぎないように調整することが重要です。
きつすぎると圧迫感があり、緩すぎると空気漏れの原因になります。
顔に赤みが残る場合は、締めすぎている可能性があります。
清潔な手入れ
マスクやチューブは、毎日清潔に保つようにしましょう。
皮脂や汚れが付着すると、肌トラブルや感染の原因となることがあります。
柔らかい布と中性洗剤で優しく洗い、十分に乾燥させてください。
定期的な交換
マスクのクッション部分やヘッドギアは消耗品です。
使用とともに劣化するため、定期的に交換することで、効果と快適さを維持できます。
劣化を感じたら、早めに医療機関へご相談ください。
ご自身に合ったマスクを選び、正しく装着することで、CPAP治療を無理なく継続できるでしょう。
気になる費用と保険適用!
CPAP治療は、睡眠時無呼吸症候群と診断された患者さんにとって、非常に効果的な治療法です。この治療は、原則として健康保険が適用される医療行為ですので、費用について心配される方もご安心ください。継続的な治療が必要となるため、私たちは費用面でのサポート体制についても詳しくご説明しています。
保険適用の基準
CPAP治療に健康保険が適用されるためには、医師による詳細な診察と睡眠検査によって「睡眠時無呼吸症候群」と診断され、特定の基準を満たす必要があります。具体的には、睡眠1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数を示す「AHI(Apnea Hypopnea Index):無呼吸・低呼吸指数」が20回以上であることが主な基準となります。このAHIは、ご自宅で簡単に行える簡易検査や、医療機関で行う精密検査(ポリソムノグラフィー検査:PSG)によって正確に評価されます。
CPAP治療にかかる費用
保険適用となった場合、CPAP機器のレンタル料や診察料は、皆さんの自己負担割合に応じてお支払いいただきます。
月額費用
3割負担の場合、およそ4,000円〜5,000円程度が目安となります。
この費用には、CPAP装置のレンタル料、マスクやチューブなどの消耗品代、そして定期的な診察料が含まれています。
診察料
CPAP治療を継続するためには、月に1度の受診が原則となります。
これは、治療効果の確認や、マスク・装置の調整、消耗品の交換などを行うためです。
不快感や乾燥対策CPAP治療を快適に続ける秘訣
CPAP治療を始めたばかりの頃は、これまで体験したことのないマスクの装着感や、送り込まれる空気圧、口や鼻の乾燥などで不快に感じる方も少なくありません。しかし、これらの不快感は、適切な対処法を知り、私たち医療スタッフと一緒に改善策を見つけることで、ほとんどの場合、解消することができます。決して我慢せず、気になる症状は早めにご相談ください。
不快感の種類と対策
不快感の種類 | 主な原因 | 具体的な対策 |
マスクの圧迫感 | マスクのサイズや形が顔に合っていない、ストラップの締め付けが強すぎる。 | - マスクのサイズや種類を別のものに変更することを検討しましょう。 - ストラップの締め付けを適切な強さに調整してください。 - 顔に当たる部分に、肌に優しい素材のカバー(例えば、マスクライナーなど)を使用するのも効果的です。 |
空気漏れ | マスクのフィッティングが不十分、サイズが合っていない、寝返りなどで位置がずれる。 | - マスクを顔にしっかりと密着させ、隙間がないか確認してください。 - ストラップを再調整し、ゆるみがないようにしましょう。 - 現在のマスクが合わない場合は、別の種類のマスク(例えば、ネーザルマスクから鼻ピローマスクへなど)を試すことも有効です。 |
口や喉の乾燥 | 加圧された空気による直接的な乾燥、または無意識のうちに口呼吸をしている。 | - CPAP装置に搭載されている「加湿器(ヒーター付き加湿器)」を使用することで、空気に適切な湿度を与えることができます。 - 口呼吸が多い場合は、鼻と口の両方を覆うフルフェイスマスクへの変更も検討しましょう。 - 市販の口閉じテープを使用することで、口呼吸を防ぐこともできます。 |
鼻炎・鼻詰まり | アレルギー性鼻炎など、もともとの鼻の症状がCPAPの使用で悪化する。 | - 加湿器を使用し、鼻腔の乾燥を防ぐことが重要です。 - 鼻炎の症状が強い場合は、耳鼻咽喉科を受診し、適切な治療(点鼻薬など)を行うことで改善することがあります。 - 医師と相談し、CPAPの空気圧を一時的に調整することも考慮します。 |
寝返りのしにくさ | マスクやチューブが大きく、寝返りを打つ際に邪魔に感じることがある。 | - 小型で軽量なマスク(特に鼻ピローマスクなど)に変更することで、顔への負担や動きの制限を軽減できます。 - チューブを枕元に固定するクリップや、天井から吊り下げるタイプのサポートアームを使用すると、チューブの絡まりや引っ張られる不快感を減らせます。 - 寝返りの多い方は、自由に動きやすいように、あえて長めのチューブを選ぶことも検討します。 |
これらの対策は、患者さんお一人おひとりの状態や感じ方によって最適な方法が異なります。CPAP治療は継続が最も重要ですので、気になる症状や不快感があれば、決して我慢せず、早めに当クリニックへご相談ください。私たちは、装置の調整やマスクの交換、加湿器の使用方法など、様々な方法で皆さんの治療がより快適になるようサポートいたします。
生涯続ける治療?CPAP治療中止で起こる3つのリスク
CPAP治療は、睡眠時無呼吸症候群による症状を和らげる「対症療法」です。根本的に病気を治すものではないため、原則として生涯にわたる継続が必要となります。例えば、重度の肥満が原因で睡眠時無呼吸症候群になった方が、大幅な減量に成功した場合は治療が不要になることもあります。しかし、このような特別な場合を除いて、ご自身の判断で治療を中断することは大変危険です。症状が再び現れるだけでなく、命に関わる深刻なリスクが高まることをご理解ください。
CPAP治療を自己判断で中止した場合に起こりうる3つのリスク
症状の再発・悪化
CPAP装置を使わなくなると、いびきや無呼吸、日中の強い眠気、起床時の頭痛、倦怠感といった症状が再び現れます。
多くの場合、治療開始前よりも症状が悪化してしまう可能性があります。
これにより、日常生活の質(QOL:Quality of Life)が著しく低下し、仕事や学業のパフォーマンスにも悪影響が出るでしょう。
居眠り運転による事故リスクも再び高まることになります。
生活習慣病の悪化
睡眠時無呼吸症候群は、高血圧、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病と非常に深く関連しています。
CPAP治療を中断すると、睡眠中の呼吸停止によって体内の酸素濃度が低下し、交感神経が過剰に活性化する状態が再開します。
その結果、これらの病気のコントロールが再び困難になり、症状が悪化したり、新たな合併症(例えば、腎臓病や眼病など)を引き起こしたりするリスクが高まります。
心血管イベントのリスク増加
睡眠時無呼吸症候群を放置すると、心筋梗塞や脳卒中などの重篤な心血管イベントのリスクが増加することが、多くの研究で明らかになっています。
CPAP治療の中断は、このリスクを再び高めてしまう可能性があります。
大規模な臨床研究の中には、CPAP治療が心血管イベントを直接的に抑制するという明確な結果が得られなかった事例もありますが、これは患者さんのCPAP使用時間(コンプライアンス)が十分でなかったことや、研究対象が軽症患者であったことなど、研究デザインに起因する限界があると考えられています。
一方で、CPAPの使用時間が長い患者さんにおいては、心血管イベント抑制効果が示唆されています。
私たちの実際の診療においても、CPAPの継続的な使用は、心臓や血管の健康を維持するために非常に重要であると認識しています。
CPAP治療は、単に睡眠中の呼吸を助けるだけでなく、全身の健康を守り、将来の重篤な病気を予防するための大切な治療です。自己判断で治療を中断せず、必ず私たち医師と相談しながら継続していくようにしましょう。皆さんの健康を守るためにも、定期的な受診とCPAPの使用を続けていただくことが何よりも大切です。
浅草でCPAP治療を始める前に知るべき3つのこと
CPAP治療は、睡眠の質だけでなく、日中の生活、さらには将来の健康にも深く関わる大切な医療行為です。これまで感じていた強い眠気や疲労感が、実は睡眠時無呼吸症候群(SAS)によるものだったと分かり、適切な治療を始めることで生活が劇的に改善する方も少なくありません。特に、古き良き文化と新しい活気が交差する浅草の地で、多忙な日々を送る方々にとって、質の良い睡眠は非常に重要でしょう。私たちは、この浅草エリアで安心してCPAP治療を始め、継続していただけるよう、具体的なポイントをお伝えいたします。
浅草駅すぐ!アクセス良好な専門クリニック選びのポイント
CPAP治療は、原則として継続していく必要のある治療です。そのため、通いやすさはもちろんのこと、信頼できる専門性を持ったクリニックを選ぶことが非常に重要になります。
専門医の存在とチーム医療体制
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断から治療、そしてその後のきめ細やかなフォローアップには、専門的な知識と経験が不可欠です。
当院では、内科認定医である院長が、睡眠時無呼吸症候群の診断から治療まで一貫して対応します。
ポリソムノグラフィー
睡眠時無呼吸症候群の診断のためには自宅で行う簡易検査が一般的ですが、実はその検査で診断が付かないことも多く、その場合専門病院に入院しての精密検査を要する場合があります。当院ではこの精密検査もご自宅で行える体制を有しており、お忙しい方でも負担なく診断出来る事が特徴です。
項目 | PG検査(簡易検査) | PSG検査(入院) | PSG検査(自宅) |
検査場所 | 自宅 | 医療機関(1泊入院) | 自宅 |
検査の精密さ | 簡易 | 非常に高い | 非常に高い |
測定内容 | 呼吸、酸素飽和度、体動など | 呼吸、脳波、心電図、筋電図、眼球運動など | 呼吸、脳波、心電図、筋電図など |
睡眠の質の評価 | 不可 | 可能 | 可能 |
無呼吸の正確な重症度判定 | おおよそ可能 | 可能 | 可能 |
中枢性無呼吸の鑑別 | 困難 | 可能 | 可能 |
体への負担 | 少ない | やや大きい | 比較的少ない |
環境の影響 | いつもの睡眠環境 | 環境変化の影響あり | いつもの睡眠環境 |
主な目的 | スクリーニング | 診断確定・治療方針決定 | 診断確定・治療方針決定 |
向いている方 | まず検査を受けたい方 | 詳細評価が必要な方 | 入院が難しい方・普段の睡眠で評価したい方 |
CPAPについてのQ&A
CPAP(シーパップ)治療について、患者さんからよくいただくご質問にお答えします。ご自身の状態や治療への不安を解消するために、ぜひ参考にしてください。
Q1: CPAP治療は本当に効果がありますか?どのようなメリットがありますか?
「CPAP治療は本当に効果があるのか」「本当に良くなるのか」という疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。私たちは内科医として、多くの患者さんの症状改善に貢献しているCPAP治療の高い効果を実感しています。CPAPは、睡眠中の無呼吸状態を解消し、体の酸素不足を防ぐことで、身体と生活の質を大きく向上させます。
CPAP治療で期待できる具体的なメリットは次のとおりです。
いびきや無呼吸の改善
ご家族に指摘されていた大きないびきや、ご自身では気づきにくい呼吸の停止がなくなります。
静かな睡眠は、同室で眠るご家族の睡眠の質向上にもつながります。
睡眠の質の向上
呼吸の中断がなくなることで、細切れになっていた睡眠が回復します。
脳や体が酸素不足に陥ることを防ぎ、本来得られるべき深い睡眠が得られます。
朝までぐっすり眠れるようになり、目覚めた時の爽快感を実感しやすくなります。
日中の眠気の軽減
日中の強い眠気や倦怠感が解消され、集中力や作業効率が向上します。
運転中の眠気による事故リスクの低下にも貢献します。
生活習慣病の改善・予防
睡眠中の低酸素状態や自律神経の乱れは、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を悪化させます。
CPAP治療により、これらの病気のコントロールがしやすくなり、心臓や血管への負担が軽減されます。
心血管イベントのリスク低減
睡眠時無呼吸症候群は、心筋梗塞や脳卒中といった重篤な病気のリスクを高めることが知られています。
大規模な臨床研究の中には、CPAP治療が心血管イベントを直接的に抑制するという明確な結果が得られなかった事例もあります。
しかし、これはCPAPの使用時間が不十分であったり、研究対象が症状の軽い患者さんであったりといった、研究デザイン上の限界によるものと考えられています。
実際には、CPAPの使用時間が長い患者さんにおいては、心血管イベント抑制効果が示唆されています。
私たちの実際の診療経験からも、CPAPの継続的な使用は、心血管系の健康維持に非常に重要であると認識しています。
Q2: CPAP治療は一度始めたら一生続けなければならないのでしょうか?
「一度CPAP治療を始めたら、一生使い続けなければならないのだろうか」という不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。CPAP治療は、閉塞した気道を物理的に広げる「対症療法(たいしょうりょうほう)」であり、根本的な原因を取り除く治療ではありません。そのため、原則として症状がある間は継続していただくことが大切です。
しかし、睡眠時無呼吸症候群の根本的な原因にアプローチし、症状が改善するケースもあります。例えば、重度の肥満が原因でこの病気になった方が、大幅な減量に成功した場合はCPAP治療が不要になることもあります。医師と相談しながら、生活習慣を見直し、根本的な改善を目指すことも可能です。
ただし、ご自身の判断でCPAP治療を中断することは大変危険です。治療を中断すると、以下のような深刻なリスクが高まります。
症状の再発・悪化
CPAP装置を使わなくなると、いびきや無呼吸、日中の強い眠気、起床時の頭痛、倦怠感といった症状が再び現れます。
多くの場合、治療開始前よりも症状が悪化してしまう可能性があります。
これにより、日常生活の質(QOL:Quality of Life)が著しく低下し、仕事や学業のパフォーマンスにも悪影響が出るでしょう。
居眠り運転による事故リスクも再び高まることになります。
生活習慣病の悪化
CPAP治療を中断すると、睡眠中の呼吸停止によって体内の酸素濃度が低下し、交感神経が過剰に活性化する状態が再開します。
その結果、高血圧、糖尿病、脂質異常症などのコントロールが再び困難になり、症状が悪化したり、新たな合併症を引き起こしたりするリスクが高まります。
心血管イベントのリスク増加
睡眠時無呼吸症候群を放置すると、心筋梗塞や脳卒中などの重篤な心血管イベントのリスクが増加することが、多くの研究で明らかになっています。
CPAP治療の中断は、このリスクを再び高めてしまう可能性があります。
CPAP治療は、全身の健康を守り、将来の重篤な病気を予防するための大切な治療です。自己判断で治療を中断せず、必ず私たち医師と相談しながら継続していくようにしましょう。
Q3: マスクが合わない、息苦しいなど不快感がある場合はどうすれば良いですか?
CPAP治療を始めたばかりの頃は、マスクの装着感や送り込まれる空気圧、口や鼻の乾燥などで不快に感じる方も少なくありません。しかし、これらの不快感は、適切な対処法を知り、私たち医療スタッフと一緒に改善策を見つけることで、ほとんどの場合、解消することができます。決して我慢せず、気になる症状は早めにご相談ください。
CPAPマスクの主な種類と特徴
マスクの種類 | 特徴 | おすすめのケース |
ネーザルマスク | 鼻全体を覆うタイプのマスクです。 | 鼻呼吸がメインで、口呼吸があまりない方に適しています。圧迫感が少なく、開放感を好む方にも向いています。 |
鼻ピローマスク | 鼻の穴に直接差し込むタイプのマスクです。最も小型で、顔を覆う部分が少ないため開放感が大きいのが特徴です。 | マスクの圧迫感が苦手な方や、顔にマスクの跡がつきやすい方、メガネをかけて寝たい方に選ばれます。 |
フルフェイスマスク | 鼻と口の両方を覆うタイプのマスクです。 | 口呼吸が多い方や、鼻炎などで鼻詰まりしやすい方、アレルギー体質で鼻からの呼吸が困難な時に有効です。 |
不快感の種類と具体的な対策
不快感の種類 | 主な原因 | 具体的な対策 |
マスクの圧迫感 | マスクのサイズや形が顔に合っていない、ストラップの締め付けが強すぎる。 | - マスクのサイズや種類を別のものに変更することを検討しましょう。 - ストラップの締め付けを適切な強さに調整してください。 - 顔に当たる部分に、肌に優しい素材のカバー(例えば、マスクライナーなど)を使用するのも効果的です。 |
空気漏れ | マスクのフィッティングが不十分、サイズが合っていない、寝返りなどで位置がずれる。 | - マスクを顔にしっかりと密着させ、隙間がないか確認してください。 - ストラップを再調整し、ゆるみがないようにしましょう。 - 現在のマスクが合わない場合は、別の種類のマスク(例えば、ネーザルマスクから鼻ピローマスクへなど)を試すことも有効です。 |
口や喉の乾燥 | 加圧された空気による直接的な乾燥、または無意識のうちに口呼吸をしている。 | - CPAP装置に搭載されている「加湿器(ヒーター付き加湿器)」を使用することで、空気に適切な湿度を与えることができます。 - 口呼吸が多い場合は、鼻と口の両方を覆うフルフェイスマスクへの変更も検討しましょう。 - 市販の口閉じテープを使用することで、口呼吸を防ぐこともできます。 |
鼻炎・鼻詰まり | アレルギー性鼻炎など、もともとの鼻の症状がCPAPの使用で悪化する。 | - 加湿器を使用し、鼻腔の乾燥を防ぐことが重要です。 - 鼻炎の症状が強い場合は、耳鼻咽喉科を受診し、適切な治療(点鼻薬など)を行うことで改善することがあります。 - 医師と相談し、CPAPの空気圧を一時的に調整することも考慮します。 |
寝返りのしにくさ | マスクやチューブが大きく、寝返りを打つ際に邪魔に感じることがある。 | - 小型で軽量なマスク(特に鼻ピローマスクなど)に変更することで、顔への負担や動きの制限を軽減できます。 - チューブを枕元に固定するクリップや、天井から吊り下げるタイプのサポートアームを使用すると、チューブの絡まりや引っ張られる不快感を減らせます。 - 寝返りの多い方は、自由に動きやすいように、あえて長めのチューブを選ぶことも検討します。 |
CPAP治療は継続が最も重要です。私たちは、装置の調整やマスクの交換、加湿器の使用方法など、様々な方法で皆さんの治療がより快適になるようサポートいたします。
Q4: CPAP以外に睡眠時無呼吸症候群の治療法はありますか?
「CPAP治療が合わない」「他の治療法はないのだろうか」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。睡眠時無呼吸症候群には、CPAP以外にも患者さんの症状や原因、重症度に応じた様々な治療法があります。
マウスピース(口腔内装置)
軽症から中等症の閉塞性睡眠時無呼吸症候群の方に適しています。
睡眠中に装着することで下あごを前に出し、気道を広げて無呼吸を防ぐ仕組みです。
ASV(アダプティブサーボベンチレーション:Adaptive Servo-Ventilation)
CPAPでは改善が難しい中枢性睡眠時無呼吸症候群や、心不全を合併している方に使われることがあります。
患者さんの呼吸パターンに合わせて適切な空気圧を自動で調整する特殊な治療器です。
手術
無呼吸の原因となっている鼻や喉の形態的な問題がある場合に検討されます。
例えば、アデノイドや扁桃腺(へんとうせん)が大きい、鼻中隔(びちゅうかく)が曲がっているといったケースです。
アデノイド・扁桃摘出術(てきしゅつじゅつ)や鼻中隔矯正術(きょうせいじゅつ)などがあります。
これらの治療法は、当院ではできない治療ですのでご注意下さい。
Q5: CPAP治療中に旅行や出張に行く際、何か注意することはありますか?
使用する機種により、持ち運びが可能なものと、自宅用のものがあります。 出張が多く、出張先でも使用したい場合、事前に医師にお申し出ください。
旅行や出張時に注意すべき点は以下のとおりです。
電源の確保
宿泊先で電源が確保できるか、事前に確認しましょう。
機種によっては、バッテリーパックを利用することで、電源がない場所でも使用できます。
海外での使用
国によっては電圧が異なる場合がありますので、変換プラグや変圧器が必要になることがあります。
航空機に持ち込む場合は、事前に航空会社へ確認してください。
機内での使用については、特別な手配が必要な場合があります。
予備品の準備
マスクやチューブなどの予備品を携帯すると安心です。
万が一の故障に備え、当クリニックへ事前にご相談いただければ、貸し出し用の機器や予備部品の手配についてご案内できる場合もございます。
医師への相談
長期間の旅行や海外渡航の際には、必ず事前に主治医へご相談ください。
診断書が必要な場合や、特別な注意点がある場合もございます。
CPAP治療を継続しながら、快適な旅行や出張をお楽しみいただけるよう、当クリニックもサポートいたします。
まとめ
「最近、夜中に息が止まっている」「日中の眠気がひどい」と感じている方は、単なる寝不足ではなく、命に関わる睡眠時無呼吸症候群(SAS)かもしれません。この病気は放置すると、高血圧や心臓病などの重篤な合併症を引き起こすことがあります。
しかし、ご安心ください。CPAP治療は、症状を改善し、健康で活動的な毎日を取り戻すための効果的な方法です。マスクの不快感や費用面での不安があっても、ご自身に合ったマスク選びや加湿器の活用、各種医療費制度で快適に治療を続けられます。治療は継続が大切ですが、不安なことは私たち専門医にいつでもご相談ください。
症状に心当たりのある方は、ぜひ一度専門医を受診し、適切なケアを始めることから始めましょう。





























